「会社バレ」など、絶対に押さえておきたい副業のデメリット

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土本さん
現在は、会社員として働いているのですが、会社が副業を認めていないんです。
副業をすると会社にバレたりしますか?

会社にバレずに副業ができるかどうか、というご相談ですね。
この機会に、バレるかどうか以外にも想定しうるデメリットを検討していきましょう!

将来の見通しへの不安などもあり、副業が大きなブームになってきています。

しかし、副業には会社が認めている、いないに関わらずリスクがつきものです。

このエントリーでは、そういった「副業のデメリット」について、解説をしています。

一般的に想定しうる副業のデメリット

会社が副業を認めていない場合の「会社バレ」など、一般的に想定しうる副業のデメリットには下記のようなものがあります。

想定しうる副業のデメリット
副業は会社にバレるのか?
副業をすると税金はどうなるのか?
副業をすると社会保険(年金・健康保険)はどうなるのか?
副業でケガをしたらどうなるのか?
副業が本業に悪影響になる可能性もある。

こういった「副業のデメリット」(税金をデメリットというと怒られそうですが)をしっかりと理解したうえで、副業を行うかどうかを検討していきましょう。

副業が「絶対にバレない方法」はない。

副業は、現在働いている会社にバレるのでしょうか。

端的に言えば、どんな方法を取っても「バレる可能性はある」ということになります。

※他人名義で副業を行うなどの違法なスキームを「会社にバレない方法」とは言いません。絶対に止めましょう。

例えば、あなたがA会社で正社員として働いている。

しかしお給料が少ないため、Bコンビニで土曜日だけアルバイトを始めた。

そこに、A会社の上司が来た。

バレますよね、当然。

マイケル
「そんなことを言い出したらキリがない。Bコンビニで収入を得ていることがバレない方法が知りたいんだ!」

と仰る方もいるでしょう。

しかし、制度的にバレなくても、バレる可能性はあるのです。

情報漏洩などもそうですが、結局のところ「運用するのはヒト」なんです。

社宅のクリスマスパーティで、子どもが「うちのパパは凄いんだぞ、この間ヤフオクで凄く儲かったって言ってたんだ!」なんて口を滑らすかもしれません。

何より、あなた自身が同僚と飲んでいるときに「いやーぶっちゃけ今副業が上手く行ってるんで、3年後はこの会社にいないかもしれないなー」なんて口を滑らせるかもしれません。

(実はこれが副業バレで凄く多いそうです)

なので、「できるだけバレずに副業をする方法」はありますが、「絶対にバレない副業の方法」はないと肝に銘じておきましょう。

副業をすると税金はどうなるのか?

会社員の方の副業と、税金の問題は「会社バレ」の問題とも複雑に絡んでいる、非常にデリケートな問題です。

よく、「会社に副業がバレない方法」として紹介されているのが、「自分で確定申告をする」とか「住民税を普通徴収に変更する」といったものです。

しかし、例えば副業として給与を2カ所以上から得ているとか、副業による収入がある程度あったのであれば、そもそも基本的に「年末調整はできない」(株式の分離課税など例外アリ)のです。

こういった問題も、しっかりと押さえておいて下さい。

年末調整ができなくなる

要注意point!
年末調整とは、簡単に言えば「1年間で稼いだお金と(経費として)使ったお金、そして個人属性(例えば障害の有無や被扶養者の有無)によって、最終的な所得税を計算しましょう」という制度です。

副業が禁止されている会社の場合、あなた個人に入ったお金は「所属している会社からの給与」だけのはずです。

だから、会社が「あなた個人の給与」に対して、毎月引いていた所得税の過不足がないか清算してくれるわけですね。

これが「年末調整」です。

しかし、副業を始めると、年末調整ができなくなる(正確には、副業の様態や副業からの収入によります)ため、確定申告をする必要が出てきます。

なぜなら、あなたという個人に入ったお金が「1つの会社からの給与」だけではないことになるからです。

副業としてアルバイトをしたり、事業的に一定の収入を得た場合は、「今年は、私の年末調整は不要です」という申し出を会社に行う必要が出てくるんですね。

となると、会社側としては、いままで年末調整をしていたのに、今年は確定申告をする…?

なぜ?

そんな疑惑を持たれるかもしれません。

住民税の特別徴収で疑惑が生じる

年末調整をせずに確定申告で乗り切ったとしても、次は住民税の特別徴収があります。

通常、住民税は特別徴収と言って「会社の給与から天引き」されていることが多いため、あなたの会社の給与担当はあなたの住民税額を把握しています。

もし、副業で所得が多くなった場合、翌年の住民税が上がることになります。

お給料は上がっていないのに、住民税だけがドンと上がることはないので、これも、なぜ?を生みますよね。

直接バレなくても、様々な点で所得が増えたのではないか、という疑念を会社が持つ可能性はゼロにはできないんですね。

もちろん「住民税を普通徴収にする」という手もありますが、結局「なぜ?」を生んでしまいます。

また、このような副業の「会社バレ」回避ノウハウは、ネットに出回っており、誰でも知ることができるわけです。

なので「年末調整はせずに確定申告、住民税は普通徴収に変更…あいつもしかして副業しているんじゃないか?」という疑惑が発生する可能性は拭えません。

要注意point!
実は誰でも住民税を普通徴収にできるとは限りません。

例外的ではありますが、行政の許認可の関係で、許認可の要件になっている方は、特別徴収でなければならないケースがあったりします。

なので「今年から普通徴収にしたいんですが…」と会社に申し出ても、「ダメ」と言われる可能性もあるんですね。

ちなみに、行政書士としてこういった「特別徴収になっているはずの人が、普通徴収に切り替わっている」と、しなくてもよい届出をする必要が出てくることがあったりします。

副業をすると社会保険(年金・健康保険)はどうなるのか?

副業をすると、社会保険(年金・健康保険)はどうなるのでしょうか。

細かい話は割愛しますが「現在会社員としてA社で社会保険に入っているが、副業のBコンビニでも社会保険に入る」というケースは2019年10月現在の社会保険加入基準では、少し想定しにくいかなと思います。

簡単に言えば、副業であるBコンビニで社会保険の加入基準を満たす可能性が低いため、あまり問題にならないんですね。

また、A社で社会保険に加入しているが、個人事業主として副業を行う場合は、現行法上は特に手続きは不要ですし、A社で納付する社会保険料の増減もありません。

要注意point!
上記のケースで、副業先のBコンビニでも社会保険に入ることになると、本業であるA社に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があるため、確実にA社にバレることになります。
なお、雇用保険は2カ所で入れませんので、ここでは問題になりません。

副業でケガをしたらどうなるのか?

最近、フードデリバリーサービスである「Uber Eats(ウーバーイーツ)」による、料理配達を副業にする方が増えています。

このUber Eatsでの料理配達は、「個人事業主」であることには注意が必要です。

なぜなら個人事業主であるため、

・配達するための店舗への異動
・配達中
・配達後の帰宅

全てに「労災保険が適用されない」状態になっているからです。

そのことが問題となり、2019年10月に「ウーバーイーツユニオン」が結成されました。

一般の人が配達員として料理を客に届ける代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員たちが労働組合を結成し、サービスの運営会社に労働条件の改善を求めていくことになりました。
(中略)
「ウーバーイーツ」はアメリカのライドシェア大手「ウーバー」が運営するサービスで、配達員は、好きな時間に働けるというメリットがある一方、会社と雇用契約を結ばない「個人事業主」として働くため、けがをした場合でも労災保険は適用されないなど課題が指摘されていました。

(引用:NHK

ちなみに、現在ではUber Eatsでの配達中の事故については、労災保険ではなく民間保険が適用される制度が始まっています。

本プログラムは Uber が三井住友海上火災保険株式会社(以下、三井住友海上)と契約を結んでいるプログラムであり、従来の対人・対物賠償責任の保険に加えて、2019年10月1日より新たに事故による傷害補償制度が追加されます。

本プログラムは自転車・原付バイク・バイク・軽自動車を利用する Uber Eats 配達パートナーが、配達リクエストを受けた時点から配達が完了、またはキャンセルするまでの間に生じた事故に対して適用されます。
本プログラムに関する事前申し込みや、追加料金のお支払いは必要ありません。

万が一、配達中に事故に遭われた場合はサポートセンターまでご連絡ください。事故の報告を受け次第、専任チームが対応いたします。

(引用:ウーバーイーツ公式サイト

しかし、Uber Eatsのような精度を用意している企業は例外的です。

通常は、個人事業主としての副業には、労災が適用されないことが原則(事務組合に加入とかそういうことまで始めると、もはや副業というより『複業』です)であることには注意が必要ですね。

そして副業として個人事業主ではなく、雇用されてアルバイトやパートを行う場合もやはり注意が必要です。

なぜなら、「副業であるアルバイト中に労災があった場合、給付されるお金は『アルバイト先から支払われている給料に基づく』からです。

複数就業者への労災保険給付額については、災害が発生した就業先の賃金分のみを算定基礎としており、全ての就業先の賃金合算分を基に補償することはできない。

(引用:厚生労働省「複数就業者への労災保険給付について」

この点にはぜひとも注意して頂きたいところです。

仮に、本業での年収が400万円、副業での年収が50万円であったとしても、労災給付上は合算にならず「災害が発生した就業先の賃金分のみを算定基礎」とされるわけですから…

これは非常に大きなデメリットであり、リスクであると言えます。

本業に影響が出てしまうと、就業規則違反になる可能性が!

副業はあくまで副業です。

副業を許可している会社も「本業に影響が出ない範囲」としているケースがほとんどではないでしょうか。

しかし、副業も例えばFXや株への投資など、動くお金に一喜一憂し、値動きが気になって仕方のないものもあります。

私も仕事がヒマな一時期、デイトレードをしており、マザーズ等の新興市場銘柄で1日で数十万円の利益が出たこともあります。

そうなると本業が更におろそかになります。

私の場合、儲かったお金を全部突っ込んだ銘柄が猛烈に下がったので、むしろ損をしたんですが…

そして、「こんなことをしていてはいけない」と我に返ったわけですが、やはり、副業は地道に稼げるものが良いと思います本当に。

話が逸れましたが、本業の収入を補おうと副業をしたのに、本業に悪影響を及ぼしているのでは本末転倒です。

会社員でいる間は、副業は副業と割り切り、本業に悪影響が出ないようにしないと、就業規則違反で何らかの処分がなされる可能性もあります。

睡眠時間を削り、家族との時間を削り、余暇の時間を削ってまでやるのであれば、それは副業レベルを超えています。

副業があなたの人生にどう影響するのかを見極め、本業にするのか、それとも本業と副業を上手くバランスを取ってやっていくのか、そういった検討も必要になるかもしれませんね。

本業を退職するとき、雇用保険給付の対象外になる

これまでは、「一般的に想定しうるデメリット」を解説してきました。

しかし、個人事業主として副業をしていると、非常に大きな「そもそも論」が影響することがあります。

それは、個人事業主は「そもそも失業しない」ということ。

つまり、「失業時の雇用保険給付(基本手当)の対象外」になってしまうんですね。

個人事業主としての副業の収入が増えてくると、いずれ本業との関係をどうするか考える時期が来ます。

この場合、それだけ事業収入があるということですから、本業であった会社を退職しても「失業」とはなりませんよね。

結果として、「基本手当に関しては、本業の会社員としての雇用保険が掛け捨て」になってしまうんですね。

いかがだったでしょうか。

副業にはメリットだけでなくデメリットもあります。

両方をよく考えて、副業をするかどうかを考えて下さいね。

迷ったときは、キャリアコンサルタントに相談するのもおススメですよ!
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