解決志向アプローチと問題志向アプローチの違い

[common_content id=”566″] 最近、解決志向短期療法(解決志向ブリーフセラピー)に興味を持たれる方が増えているように感じます。

一エリクソニアンとして、解決志向に可能性を感じて頂けることは、非常に嬉しいことです。

ただ、解決志向は問題志向と比較して、「教えることはできるが、学びにくい」アプローチでもあります。

このエントリーでは、そんな解決志向と問題志向の差異とおすすめ書籍について解説しています。

解決志向と問題志向の最大の違いとは?

解決志向と問題志向の最も大きな違いとは何か。

そして、その違いはなぜ生まれるのか。

このあたりを、簡単にご説明しますね。

問題志向は「教えやすく学びやすい」が…

まず、多くのカウンセラーが学ぶ、「問題志向」アプローチから。

問題志向は「教えやすく学びやすい」アプローチです。

なぜなら「問題」は「見えている」からです。

例えば

「履歴書をどう書いていいか分かりません」

これが「問題」ですよね。

目の前に空白の履歴書がある。

それが「見えている」から「書けない原因を探る」となります。

だから、「教えやすい」し、「学びやすい」。

しかし、問題志向には最大のデメリットがあります。

それは…「問題の解消」は難しい。

だって「20年引きこもりだった」ら?

だから時間がかかるし、時間がかかれば、結果として費用がかかってしまう(有料相談であれば、費用と回数(時間)は通常比例します)と時間経過に伴う「問題の困難化」が生じやすい。

時間経過による問題の困難化とは、簡単に言えば、時間経過とともに、問題が複雑になっていくことです。

例えば、イジメでの不登校が、イジメがなくなっても、今度は授業についていけなくなった、などですね。

問題志向を別の側面からみれば、支援者側がトクする(長期化による収入の安定)ことが多い点も指摘されています。

解決志向は「問題を問題として捉えない」

解決志向は、問題を問題として捉えない。

例えば、私が解決志向で行くなら、「履歴書なんて書かなくていいじゃん」だから。

だって履歴書を書くのは何のため?

就職するためですよね。

就職するのは何のため?

親を安心させたい?結婚したい?世間体?

じゃあ、それって「お金」で解決できない?

ブログで毎月1万円稼ぐところから始めたら?

「引きこもり20年の私が、純白の履歴書で就活し続けたらヘイトが過ぎて魔界転生した」

ってタイトルでラノベを書いてみたら?

引きこもり20年の45歳が正社員になるより、ブログで月1万円稼ぐ方がよっぽど簡単だし、ラノベで一発あてる方が夢も希望もあります。

このように「問題を問題として捉えず、『リソース(資源)』として捉える」のは、発想の転換が必要です。

基本的な考え方をお伝えすることはできますが、何よりも大切なことは、「発想の柔軟さ」です。

これは「教えられて身に着く」というものではなく、多くの事例に当たることで身に着けていくものです。

そういう意味では、解決志向は「教えることはできるが、学びにくい」アプローチと言えます。

ロジャリアンとエリクソニアンの相違点を知る

いかがでしょうか。

見える問題を扱う、「問題志向」。

問題を問題として扱わず、リソースとして扱う「解決志向」。

このアプローチの根本的な違いこそが、ロジャリアンとエリクソニアンの最大の相違点と言えるかもしれません。

解決志向は、「ただ話を聴いて、寄り添って欲しい。問題の解決は求めていない」

このニーズには、あんまり答えられないんです。

それは、創始者ミルトン・エリクソンが「精神科医」だったから。

医療の世界では、「結果(効果)」が大事なんです。

それは、保険財政の安定化にもつながりますよね。

エリクソンは精神科医、ロジャーズは心理学者。

この創始者の差異が、アプローチの差異に繋がっています。

解決志向アプローチにおすすめの書籍

最後に、おすすめ書籍を2冊ご紹介しておきます。